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メソッド

第3章:何かにいつも困っている・肩の力が抜けない│責任の個人化とスケジューリング法

2015年5月27日 Category:メソッド

※出来るだけ最初から順番にお読みください。

前章では認知が起こる流れの例や、そこで憤りが生まれてしまうズレの仕組み、そしてそうなっている自分に気が付きやすくなる方法をご紹介しました。

【自分が今どう思っているか】を見失っていたり、それを欲求としてストレートに出せていない時に、人は問題を実際以上に複雑に感じて辛くなりやすい

認知と行動がズレていたり、感じ方(認知)そのものが適切で無いにも関わらずそれに気が付けない状況に陥った時、こうした辛く感じるなどの問題が起こるわけですが、これをさらに引き起こしやすくなる状況があります。

─── いつも何かに困っている・肩の力が抜けずに息苦しい。

今回は認知を歪ませたり、行動・選択から思考の余裕や、選択肢を奪ってしまう危険性のある状況とその対処法をご案内します。

責任の個人化

責任の個人化とは、例えば職場などでマズイ状況が起こり、雰囲気が悪くなった時。嫌な気持ちになるのは誰でも同じですが、実際には関係がないのにどこか自分に責任を感じてしまい、そこにある問題を個人のものにしてしまうことです。

【……もしかして、自分が悪いのかな……】

これは家族の問題や、仕事の進行、交友関係での繋がりなど知らず知らずのうちに肩を重くしていることがあります。

『なんであなたがそれを気にしているの? ○○の問題だから関係ないでしょ?』

こう突っ込んでくれる人物が近くにいれば良いのですが、長期化・常態化など当たり前になってしまうと、突っ込まれても後に引けなくなる事があります。

また、この突っ込みは自分で入れようと考えると、当事者ではなかなか気が付けないものです。多くの場合、なんらかの原因から思考するメモリを失ったり、他者と自分との境界線が曖昧になっている時に起こっているからです。

そんな時はこれからご紹介する、メモリを開放・他者との境界線を思い返す技法などがあると、混乱を軽減できることがあります。

メモリ開放の失敗

例えば複数のやるべきことを抱えている時、それらの項目を把握していて、優先順位もつけられているはず。それなのに、どこか頭の中で切り離せずに、進行中でもじわじわと頭の容量を圧迫されて余裕を失う状態があります。

『やることは分かってるから大丈夫』

そう思っていても、どこか余裕が持てず、最悪その内のいくつかの項目を明確に思い出せないのに、消えたはずの記憶にまでメモリを消費されている事も起こります。

分からない事が不安感を作り出し、その不安感がさらに余裕を失わせます。

これが“何かにいつも困ってる”状態を生んでいることが多いようです。

『ああ、これが気になっていたんだ!』

と気がつけるとスッと楽になったりもしますが、メモリを開放できない限りはまたすぐにハングアップが近づきます。

スケジューリング法

気になっている項目を見失わないようにするには、前章でご紹介した【小メモ帳法】が効果的ですが、これだけでは個人化やメモリ解放には不十分です(慣れてくれば小メモ帳法だけでもOK)。

スケジューリング法は出来ればいつも使っているスケジュール帳とは別に、カレンダー状で書き込みやすいタイプのものを用意します。

このスケジュール帳に予定を書き込むのですが、そのスケジュールに対し、次の条件によってひと目で分かるよう色付けもしくはマークをします。

簡単にこなせる案件

人に協力を仰げる案件

気合が必要な案件

これらを毎月や毎週のはじめ、もしくは区切りのついた時に書き込みます。数ヶ月をまたぐタイプの長期な案件に関しては、欄外に備考として書き留めておき、いつでも眼に入るようにしておきます。

進行中で必死な時には、人に相談するなどの余裕すら持てなくなることがありますが、余裕のあるうちに人に協力を仰げる案件を見分けることで【自分一人でやらなくてもいいんだ】と肯定感を持ちやすくなります。

実はこの【自分一人でやらなくてもいいんだ】が肝心で、スケジューリングの際には、最初から意識的に探すことをおすすめします。

やるべきことの一覧はもちろん、その強弱・責務の重さを的確かつ、ひと目で把握でき、メモリの確保と余計な不安や責任感を低減できます。

このスケジュール帳はいつでも手に取れる場所に置いておくことで、憶えておかなくていい状態になることを意識すると、余裕を生む効果が感じやすくなると思います。

『犯人は誰だ』法

スケジューリング法でも責任の個人化を抑えきれない時は、その他にも様々な認知の要因がある事が考えられます。

それらの要因は後々の章で明らかにしていきますが、今回は応急処置的な方法をご紹介します。

【で、一番悪いのは誰?】

例えば、自分の子どもが言うことを聞かず、自分を責めそうになった時、『で、一番悪いのは誰?』と自分に問いてみて下さい。

また、例えば職場で近くの人物が不機嫌になった時、その空気の悪さに自分を責める前に、『この空気の悪さは誰が出してる? 一番悪いのは誰?』など、責任の所存や真実の前に、今目の前で起きている不快な状況の発生源を明確にします。

余裕が確保出来ない時、人は分かっているようでいても、意識的に認識しようとしない限り、他者と自分との区切りを適切に付けられなくなることがあります。

【で、一番悪いのは誰?】

【現実に問題(嫌な空気などの状況)を生み出しているのは誰?】

と極端な問いかけを思い浮かべることで、責任の所存を判別するための意識を取り戻しやすくなります。状況が悪くなった時に自分を責めるのは簡単ですが、解決にはなりません。

そうしているうちに【誰の責任か、誰が関わることなのか】といった、他人と自分との境界線が分からなくなります。

これが長引いたり慢性化すると、嫌な状況に対してすぐに自分を責めて立ち尽くしたり、責任を受け切れないと判断し、過剰な防衛に走り余計な衝突を生むことになりかねません。

次の章では認知と行動・選択を大きく歪ませたり、人間関係を苦痛にする大きな要因となる、根源的な思考のパターンについてご案内します。

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    心労と過労、カサンドラ状態に陥り3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

    家族のASDについて学びながら、独自に心理学を楽しんでいる。

    ASDについてはこちらのサイトでまとめています。
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