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第2章:生きづらい自分を変える準備│認知と行動

2015年5月27日 Category:メソッド

※出来るだけ最初から順番にお読みください。

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前章では生きるのが辛くなる原因と、アプローチすべき【認知のズレ】について触れました。

自分を変えたいと思ったり、人間関係に合わせて自分を変えようとしてみたり、逆にそんな自分を相手に受け入れさせようと頑張ってみたり……。

それらが上手くいかない時期が長く続くと、やがて人生や人間関係に疲れて『生きるのが辛い』と思うようになってしまいます。

現実の状況とズレてしまった原因が分かっていないまま、表面的な対応でも納得が行かずに疑問や迷いを感じながら進めていたら、それはどんどん複雑な問題であると錯覚していくからです。

方法論や意識改革に挑戦する前に、まずは自分が物事をどう感じ、どう受け止め、どう行動していたかを正確に知らなければ、最初にずれた原因がわからないまま“何か”を我慢して進むことになりかねません。

───しかし、想像以上にこの【認知のズレ】は、自分では気が付きにくい。

この章では、認知行動療法を元に、自分の認知を知るための簡単な方法と、それを応用につなげていくための基礎的な知識をご案内します。

認知はどう自分に影響するか

認知とは物事をどう感じ、どう受け止め、どう理解しているかという過程を指します。

例えばAさんとBさんが【自分では買わないような物をもらった】場合

Aさんは

『へえ、こういうの自分では選ばないから面白いな』と認知し、すぐにその場で使ってみようとする行動に出ました。

対してBさんは

『こういうの自分では選ばないから必要ないし困る』と認知し、しかし相手の気持ちも考え、すぐにその場で使ってみせようとする行動に出ました。

さて、AさんとBさんのどちらの方が、自分に負担がないでしょうか?

Aさんの場合は想定外の物を【面白い】と感じ、そのまま自分の認知に素直に従った行動をとっています。対してBさんは【困る】と感じています。しかし、相手との関係性を考え、その場で喜ぶ姿を演出し興味があるポーズをとりました。

Bさんの場合、想定外の物への認知を受けながら、相手との人間関係の認知も受け、【困る】という認知を耐え、人間関係の認知に行動を合わせたわけです。

では、Bさん自身の心境はどうでしょうか。なんの我慢も制約もない状態とは言い切れません。つまり、Bさんには自分の思い通りに出来ない案件がひとつ宙ぶらりんになったということです。

小さいことの様ですが、この我慢は憤りとしてBさんの中に残ります。次に同じ事が起きた時、Bさんはこう感じるようになるのではないでしょうか?

【またか、こういうの苦手なんだよな……】

こうしてBさんに苦手がひとつ増えました。さて、このBさんにAさんと同じ様に思うようにさせたとして、Bさんの苦手は解消されるでしょうか?

なんかもう……Bさんの真っ黒な顔しか浮かびませんね。なぜなら【不要】だと感じたことを問題視されただけであって、【困る】と感じた原因は解明されていないからです。

こうやって足元が不明な時に、いきなり誰かのノウハウや方法論に従おうとするのは、ズレが起こる危険性が十分にあります。

ここで間違えてはいけないのが、【Bさんは間違っている】ととらえることです。対人での対応方法や考え方は、あらゆる状況で変化しますので、取った行動や認知ひとつひとつの正解・不正解にこだわるメリットはあまりありません。

それは表層的な対処を考える行為でしかないからです。

ここで重要なのは、Bさんは【なぜそう受け取ったのか】を表面的な事実だけではなく、そのように発想・認知した理由を求めること、そして、その発想・認知からどんな行動を選び、それは【なんの効果を狙って選んだか】が押さえるべきポイントになります。

認知を理解する視点

なぜBさんは【こういうの自分では選ばないから必要ないし困る】と思ったのか、特になぜ【困る】のかを読み解くことが重要です。

困る、嬉しい、悲しい、楽しい、つまらない、辛い、ラク……様々な気持ちを私たちは持っていますが、なぜそう感じたのかは普段あまり考えません。

Bさんが想定外のプレゼントに【困る】のは

リアクションが面倒だから

喜ばないと相手が怒るかもしれないから

その後、それをどうすればいいのか分からないから

相手に貸しを作りたくないのにこんなので……と思ったから

などなど

【困る】ひとつにも様々な理由が考えられます。そして、これらがどうしてなのかが理解できないでいると、自分の心境の変化が正確に認識できません。

もし、真相がこうだったらどうでしょう?

実は幼い頃に幼いからこそ起こった、ちょっとした戸惑いへの対応がそのまま残っているだけ。

実際には成長して【困ることでもないし、対応もできる】ことなのに、その感覚だけに気持ちが向かっている。だから、本当の理由に気がつかないまま、その戸惑いを目の前で起きていることがすべての原因だと錯覚している。

例えばこんなシチュエーションもあったりしたかもしれません?

幼いころに人から物をもらい、その物が何なのかの興味が膨らんで確かめている時に、『ありがとうといいなさい』と言われた。その時の自分の想いと異なる行動を示唆された時に納得が行かずに戸惑った。またはどんな風に『ありがとう』を言えばいいのか戸惑った。

幼い子供はマルとバツの間に“これくらい”などのグラデーションがなく、その戸惑いをバツだと認識し、不快感や不安感を覚え、『これは苦手な嫌なものだ』と判断した

これを知っていたとしたら、ただただ【困る】ことではない事を、思い返せる可能性が出て来そうです。

【ああ、アレと似てるから困ったんだな】

自分の認知を理解し、最初にずれた原因を掴めた状態です。しかし、ここまで自覚できるというのはもっと先のステップになります。

この章では次に紹介する2つの方法で、自分の認知の傾向と特徴をつかめるようになることを目的としています。

自分の認知を理解する技法

うつや依存症、パニック障害や強迫性障害などの一部の治療に、【認知行動療法】というものが用いられることがあります。

認知行動療法とは、物事の感じ方や捉え方などの認知のパターンや、それに対応した行動パターンを読み取り、その感じ方の癖や行動の選択肢を適正な方向に導いて、心のあり方や受ける感情をラクなものに変えていく心理療法です。

つまり、特定の精神症や障害などだけでなく、認知ということに関わる広い分野に応用が効く技法でもあります。

実際は専門家や専門医が主導で行い、認知に働きかけていくものですが、これを応用して自分の認知を理解していく簡単な2つの方法があります。

言われたこと日記・感じたこと日記法

その日または過去の生活の中で、人に何か言葉をかけられた事を、日記に振り返って書き出します。そして、その言葉に自分がどう思ったか、何を感じたか、またどんな反応・行動・選択をしたかを書いていきます。

言われたこと:~~と言われた

感じたこと:自分は△△△と感じた。理由は□□□だったから

または、生活の中で不安に感じたり、気持ちが高揚するなどの気持ちの変化があった場合も、それを出来る限り書き出します。そして、それはどうして変化を起こさせたかを書き出します。

ポイントは頭の中だけでなく、必ず一冊の日記帳に文字で残していくことです(スマホのメモアプリとかでも○)。とにかく目に見える形で残し、自分の心の動きをひと目で分かるものに変えていきます。

なぜ、ひと目で分かるものに変えていくかというと、今思い返している心の動きと、その他の出来事での心の動きを相対的に、すぐその場で見ながら思い返せるので、把握しやすくなるからです。

“その場でそれを思い返して留め、他の事も思い返す”というのは、想像以上に脳のメモリ(思考する余裕)を圧迫するものです。紙に書くことで一時的に留める動きを抑えてメモリを開放し、思い返すことに専念するためでもあります。

これを数日から数週間、もしくは長期間に渡り記していくことで、全体的な認知の傾向と一見わかりにくい些細な認知の癖が、比較的短期間で自覚できるようになることが見込めます。また、日記としてでなくても、思い出せる過去の事を振り返るのもアリです。

この方法は後の『第4章』でご紹介する【選択理論】を理解すると、さらに効果が上がりますが、今はまず感じたことを文字にすることで、具体的に認識しやすくする体験が出来れば問題ありません。

小メモ帳法

常に持ち歩き、その日に予定している動き、その時々に疑問に思ったこと不安になったこと、また『これ、いつかやっとかなきゃな』と思ったことなどをメモします。最初のうちは出来るだけ意識的に、些細な事でも積極的にメモするようにすることをおすすめします。

メモ帳活用の効果は、どういうことに自分が気を取られているかが、正確に分かるようになることです。

実際にやってみると分かることなのですが、やってみて初めて『あれ、意外とこんなことに気を取られていたんだ』と気がつくことがあります。そういった意識が向かうものの傾向にも、認知を知るためのヒントが多く、さらに自然と日常生活での心の優先順位の割り振りがつくようになります。

ふと浮かぶ自分の考えに気がつく事に慣れて来たら、少しずつメモするものを減らしていき、【常時、頭の中においていく必要のないものをメモ】するように切り替えます。

この時、【自分が先送りしがちなこと】と、その傾向が見つかると、後々に解決していくのがスムーズになることがあります。

これら2つの方法は、いわれのない生きづらさを感じている方の多くに有効ですが、アスペルガー症候群をはじめとした、社会性に関する発達障害をお持ちの方々にも有効なのではないかと思います。

特に小メモ帳は、ワーキングメモリ(一時的に記憶しておいて行動や計算、会話などの活動に活用する脳の機能)が何らかの原因で小さくなっている時、機能の補助としても活用できます。
ワーキングメモリは先天的な要因以外でも、焦りや緊張、精神的に追い詰められた状況などでも低下するので、学校や職場などで辛くなってきている時に、適正な認知を保つことも期待できるのです。

ここで自分の認知をすべて理解し切る必要はありません。この先々の章で自分の心の動きや、それらの理由がわかってきた時、さらに自分の認知への理解が進むことが起こるはずです。

ここまででは、自分はどんな時にどんな認知をしているかなど、その大体の傾向を自覚できれば問題ありません。

ちなみに【さて、AさんとBさんのどちらの方が、自分に負担がないでしょうか?】という質問を挙げましたが、認知のズレという根本的な部分に偏り起きている場合、【どちらの方が相手に喜ばれるか・自分は喜ばれるだろうか】という対外的な点に走りがちな気がします。

次の章では、続いて認知の観点から、より自分を分かりやすくする方法と、より心に余裕を持つための方法をご案内します。

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    心労と過労、カサンドラ状態に陥り3度倒れ、一時はうつ状態に。 ところがどっこい完治なタフガイ。

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